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結婚・出産を焦る、将来が漠然と不安… その正体「クォーターライフクライシス」かも

「理想と現実のギャップに落ち込む」「漠然とした将来への不安に悩まされている」
という方は多くいらっしゃると思います。
これらは誰もが経験し得る悩みであり、特に30代前後の方に生じやすい悩みです。

「クォーターライフクライシス」(QLC)という言葉をご存知でしょうか?

「クォーターライフクライシス」とは、人生を100年と考えたとき、その4分の1あたりである20代後半〜30代に訪れる不安や焦燥感の正体で、人生の在り方や自身の生き方などについて悩む時期のこと。

社会人としての生活に慣れてきた一方、理想と現実のギャップを感じて焦ったり、周りの人と比べてしまったりして「このままでいいのだろうか」「自分はどう生きていきたいのか」と、今後の人生について深く考え始める「人生の低迷期」と言えるでしょう。
世界中で学術的な研究も進められており、ここ数年、日本でも認知が広まりつつあるんです。

以前「30歳までに◯◯しないと」というプレッシャーに襲われる「29歳ハラスメント」について考える番組をご紹介しましたが、それに似た現象、もしくはそのプレッシャーの正体と言えるかもしれません。

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今回は、30代前後に訪れる不安やプレッシャーの正体「クォーターライフクライシス」について考えてみたいと思います。

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クォーターライフクライシス(QLC)とは?

クォーターライフクライシス(Quarter Life Crisis , QLC)は、20代後半~30代くらいに訪れる、不安や焦燥感に駆られる時期のこと。

人生100年時代と言われる現代において、20代後半〜30代あたりが人生の「4分の1」(クォーター)の時期にあたることからクォーターライフクライシスと言われています。

世界中の25~33歳を対象にしたリンクトインの調査によると、約75%が「クォーターライフクライシスを経験した」と回答していることがわかっています。

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日本でもここ数年で話題に上るようになりましたが、アメリカやイギリスなどでは一般的な概念として広く知られています。

なぜ不安や焦燥感に襲われるのか?

20代後半〜30代は、大抵の人がこれまでよりもできることが増え、今までになかった悩みが多くなってくる年代です。

20代前半は仕事を覚えたり、生活を落ち着かせたりするのに一生懸命な人が多いと思いますが、20代後半あたりになってくると仕事も落ち着き、生活も安定してきて心に余裕が生まれ始める頃かと思います。
仕事ができるようになってきた、お金が貯まってきた、毎日のルーティンができてきた、というように、20代後半には社会人としての生活に慣れてきている人が多いでしょう。

やれることが増え気持ちに余裕が出てくると、現状への漠然とした不満や将来への不安が生じ、「このままで良いのだろうか」「自分はもっとやれるのにやっていないのではないか」という焦りを感じやすくなります。

30代前後でこういった焦りや不安を感じている人は、クォーターライフクライシスの時期にいるのかもしれません。

SNSの普及によりクォーターライフクライシスが加速

20代前半の頃よりもできることが増えて悩みの種類が変わってくることに加え、現代はインターネット、そしてSNSの普及によって情報収集が活発になり、他者の人生を垣間見る機会が多くなったことによって、クォーターライフクライシスを経験する人が増えているのではと言われています。

一昔前までは身近なコミュニティなど自分のいる環境から人生の選択肢を選ぶことがほとんどでしたが、今はSNSなどを通じて世界中の人々の暮らしや多様な生き方が知れるようになりました。

他者の人生を見る機会が増えて選択肢が広がったことで、自分の人生をより良くすることにつながり幸福度が上がるという人がいる一方、他の人と比べて「自分はこのままで良いのだろうか」と不安や焦りを抱いてしまう人も多いようです。

女性はライフステージの転換期と重なる

クォーターライフクライシスは特に女性がなりやすいと言われています。

20代後半〜30代は結婚や出産の適齢期であり、女性は特に自分のライフステージを見つめ直すことが増えてきます。
結婚、出産、キャリアなどについて考える機会が増え、周囲のライフステージとのギャップを感じたり、出口の見えない焦りにモヤモヤしてしまうという経験はこの年代の女性にはよくあることと思います。

社会人としての生活が落ち着き、人生についての考えを深める時期に結婚ラッシュや出産適齢期が重なるため、クォーターライフクライシスは特に女性が陥りやすいと言われているのです。

40〜50代に訪れるのは「ミッドライフクライシス」

ミッドライフクライシスとは、人生の半ば頃である40~50代くらいに訪れる、焦りや不安を感じる時期のことです。

仕事や子育てがひと段落して落ち着くこの時期に、人生を見つめ直し「自分は何者なのだろうか」と自身のアイデンティティについて葛藤したり、キャリアや老後の人生についての不安が生じたりします。

「中年の危機」と言われるミッドライフクライシスに対し、クォーターライフクライシスは「青年の危機」と呼ばれます。

人生100年時代と言われるようになった現代。
これまでよりも人生が長くなったことで今後の人生設計が難しくなったことも、これらのクライシスに影響を与えていると言われています。

クォーターライフクライシスを乗り越えるための3つのステップ

「漠然とした不安で気持ちが暗くなる」「現状を何か変えなければと焦る」
20代後半〜30代前後に訪れる、こうしたモヤモヤや不安、焦りの正体はクォーターライフクライシスの可能性があります。

今現在こうした感情に苛まれている方は、焦りから空回りしてしまったり、暗い気持ちから抜け出せず気力を失ってしまっているかもしれませんが、クォーターライフクライシスは誰もが経験し得る長い人生における一つの「過渡期」です。

まずは「この不安は自分だけじゃない、この時期の誰もが経験する感情で、自然なことなんだ」と、深呼吸してみてください。
それだけでも心がふっと軽くなるかもしれません。

クォーターライフクライシスは世界的に研究が進められているため、参考にできることも多く、経験談を持つ先輩方もたくさんいます。
向き合い方を知ることでクライシスから抜け出す道が見つかるでしょう。

感じていることを書き出してみる

クォーターライフクライシスは「自分探し」の時期といえます。
学生の頃や就活時は自己分析をして自分と向き合う時間を持てたかと思いますが、社会人になってから自分自身を見つめ直す時間をゆっくりと設けられていないという方が多いのではないでしょうか。
まずは素直に感じていることを紙やスマホに書き出してみましょう。
誰かに見せる物ではないので、自分の心に正直になって、思いついた言葉で気楽に書き出してみることが大切です。

自分の感情と向き合う時間を作る

書き出したものを見直してみると、自分の中にある様々な感情や周囲の人・物への自分の反応が客観的に見えてくると思います。
クォーターライフクライシスの時期は他人と比較して原因を探そうとしたり、今のままでいいのかと仕事や人間関係、周囲の環境など、自分以外のものを疑うことが多くなります。
しかし、自分の感情と向き合ってみると、本当の原因は「自分の中」にあり、自分の行動次第で変えていけることばかりだということが見えてくるはずです。

行動を起こす

自分の感情と向き合うことができたら次は行動を起こすフェーズです。
実現しやすい具体的な目標を設定し、理想と現実のギャップを埋めるための行動を起こしましょう。
生活習慣を見直す、趣味や副業を始めるなど、何か一歩踏み出してみるのもいいですし、まずは目の前にある日常を丁寧に暮らしてみることから始めるのも◎。
小さなことでも、一つでも、行動を起こしてみると、焦りを感じていた急ぎ足の日々がゆっくりとした愛おしい日々に変わります。
その過程が人生そのもの。悩んでいる時間も、これからの人生をより良くするための助走の期間なのだと意識を変えてみることで、クォーターライフクライシスを成長の糧にすることができますよ。

まとめ

クォーターライフクライシスは20代後半〜30代前後の人が経験しうる人生の過渡期の一つ。
漠然とした不安に苦しむ時期ですが、乗り越えることで自分自身の成長に繋がっていきます。
不安という感情は決して悪いものでなく、人間に備わっている必要で正常な機能。
ですが、ずっと不安を抱え続け、クライシスから抜け出せないでいると、目の前のことに意欲的に取り組めず、前に進めないといった弊害もあると思いますので、そうした場合には今回ご紹介した対処法を一度試してみてくださいね。

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目の前にある日常に丁寧に向き合い、一つずつ現状を変えていくことでクライシスから抜け出す道が見つかることでしょう。

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