現在子育てをしているという方をはじめ、これから子育てをするかどうか(子供を持つかどうか)を考えているという方の中には「完璧主義な性格が辛い」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ネットやSNS上ではよく「完璧主義が子育てをするとしんどい」という声を見かけますし、完璧主義がネックとなって子供を持つことに踏み切れていないという方も多いのでは。
また、自分自身が完璧主義な親に育てられたことから辛い経験をしており、自分の子供に同じような思いをさせたくないという気持ちから子育てを躊躇しているという方も少なくないと思います。
今回は、「完璧主義」の人は子育てが辛いのか、また、完璧主義の特徴やセルフチェック、治し方についてまとめてみました。
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「完璧主義」とは?
完璧主義とは、常に完璧であることにこだわり、必要以上に高い目標を設定して頑張りすぎてしまう性格のこと。
そもそも「完璧」という言葉には「《傷のない宝玉の意から》欠点がまったくないこと。また、そのさま。」という意味があります。
言葉の意味からも分かるとおり、完璧主義は「欠点がない状態を目指す性格」と言えるでしょう。
完璧主義の人は何事にも丁寧に取り組むためミスが少なく、周囲からの信頼が厚いといった良いところもたくさんありますが、失敗を許せず自分への評価が厳しい、自己嫌悪に陥りやすいといった特徴もあります。
また、完璧主義は目標を高く設定してしまうが故に達成できないことも多く、自分の満足いく結果が出せないことから自己肯定感が低い傾向にあるとも言われます。
目標を設定しそれに向かって努力するのは素晴らしいことですが、仕事や日常生活において過度に高い目標を課してしまうと無理をし過ぎてしまったり、達成できなかった時に自信を失ってしまったりします。
また、自分に対してだけでなく他人に対して完璧を求めてしまうこともあり、対人関係にも悪影響を及ぼすことがあります。
【完璧主義診断】完璧主義セルフチェック
「もしかして自分は完璧主義なのでは?」と疑問を抱いたことがある人も多いのではないでしょうか。
自分は完璧主義なのかどうか、まずはセルフチェックしてみましょう。
⬜︎ 目標や理想が高い
⬜︎ 長所よりも短所が気になる
⬜︎ いつも自分に満足できない
⬜︎ ミスや失敗を極端に恐れる
⬜︎ 何が正解かを考えすぎてしまう
⬜︎ こだわりが強い
⬜︎ 無理して頑張りすぎる
⬜︎ 評価を気にする
⬜︎ 何事にも妥協できず疲れやすい
これらの大半の項目に当てはまる人は完璧主義の傾向があると言えるでしょう。
完璧主義のメリット
完璧主義は悪いことのように捉えられがちですが、良い側面もたくさんあります。
例えば以下のようなメリットが挙げられます。
- 何事にも丁寧で質の高い結果を出す
- ミスや失敗が少ない
- 責任感が強い
完璧主義の人はミスや失敗をしたくない、物事を完璧にこなしたいという思いから、実際に仕事や日常においてもたらす結果のクオリティが高い傾向にあります。
自分自身が納得のいく結果を出したいと追い求めることがしばしば周囲からの信頼や評価につながっています。
完璧主義のデメリット
また、完璧主義には以下のようなデメリットがあると言われます。
- 自己嫌悪に陥りやすい
- 他人のミスが許せない
- 一つのことが長く続かない
完璧主義の人は理想が高く、自分に厳しいため、一般的には十分だと思える結果でも満足できないことが多いです。
そのためストレスが溜まりやすく、自己嫌悪に陥りやすいといったデメリットがあると言えるでしょう。
また、自分だけでなく他人に対しても完璧を求めてしまう傾向がある人は、他人のミスや失敗が許せず、批判的になるなどして対人関係においても悪影響を及ぼすことがあります。
さらに「完璧にこなせない」「思い描いた結果が得られない」と判断してしまうと、途中で諦めてしまう傾向もあります。
そうした0か100かの思考によって物事が長続きしない場合も多いでしょう。
完璧主義の人は子育てが辛いって本当?
「何事も完璧にこなしたい」という完璧主義の考えが強い人は、子育てにおいても妥協ができず、自ら子育てを辛く苦しいものにしてしまうと言われています。
他の人の子育てと比較して落ち込んでしまったり、完璧にできない自分を責めてしまうことで、子供との楽しくて大切な時間をネガティブな感情で過ごすことにもつながってしまうそう。
育児ノイローゼになってしまうケースも少なくありません。
子供を持つかどうかまだ考えているという人の中にも「完璧主義な自分がきちんと子育てできるのだろうか」「子供にも完璧を求めてしまい辛い思いをさせないだろうか」と不安に思っている人も多いと思います。
また、自身が完璧主義な親に育てられた経験などから「同じ思いを子供にさせたくない」と、子供を持たない選択につながっている人も少なくないでしょう。
子供は自分の思うように育ってくれるわけではありませんし、予想外の行動を取ることもしばしば。
家事や仕事に加え、育児まで完璧にこなそうと無理をし過ぎてしまうと心身ともに健康を損なう可能性もあるので注意が必要です。
現代はネット社会の広がりやSNSなどの普及によって他の人の暮らしや子育てなどが可視化されるようになりました。
それによって「自分ももっと頑張らなければいけない」と自分自身に厳しい目標を課してしまっている人も少なくありません。
しかし、人は誰しも完璧ではありませんし、たとえ他の人から見て完璧に見えていたとしても、どこかで適度に息抜きをしていたり、「完璧でなくてもいい」とありのままの自分を認める習慣を持っていたりするもの。
完璧主義には完璧主義なりの良いところもありますが、長い人生を考えると完璧主義を手放し、自分を認める思考も身につけていった方がいいかもしれませんね。
完璧主義の治し方「減点方式」から「加点方式」へ
「完璧主義」と検索すると「辛い」「やめたい」というワードが続くことがほとんどです。
完璧主義には良い側面もありますが、高すぎる理想を掲げ、自分に厳しく生きているのは辛いと感じることがやはり多いようです。
完璧主義になる背景は様々考えられ、生い立ちやこれまでの経験などが複雑に絡み合って形成された性格だと思いますが、完璧主義を治す方法は意外とシンプルです。
「減点方式」から「加点方式」にしていくことが完璧主義を治す近道です。
完璧主義の人は理想的な状態、すなわち「100点」の状態を常に目指し、できていない部分に着目して減点してしまう傾向にあります。
減点方式ではできていない部分にばかり目がいってしまうので、ネガティブ思考になったり、自己嫌悪に陥ったりしてしまうのです。
まずは加点方式の考え方にシフトするよう心がけてみましょう。
「こんなにできていない」ではなく「こんなにできた」と考えてみてください。
こうした考え方を身につける上で「コップに入った水」がよく例に挙げられます。
コップに半分水が入っているとしましょう。
そのコップを見て「半分しか入っていない」と捉えるか「半分も入っている」と捉えるかで人生の見方は劇的に変わります。
コップに半分水が入っているという事実は変わりません。
それは人生においても同じことです。
目の前に広がっている世界や現実は変わりませんが、それをどのように捉えるかは自分次第です。
完璧主義でい続けることは、できていない自分、足りないものばかりに着目し、自分を否定し続けることに繋がりかねません。
減点ではなく加点で自分の行動を捉え直し、ありのままの自分を認められるよう、今日から視点を切り替えてみましょう。
結果ばかりにこだわり過ぎず、過程を楽しむことは人生をより有意義なものにしてくれます。
完璧主義な思考を手放し、柔軟な視点で物事に取り組むことができる第一歩をぜひ踏み出してみてくださいね。
まとめ
今回は、完璧主義の人は子育てが大変なのかについて考えてみるとともに、完璧主義のセルフチェックや治し方についてまとめてみました。
完璧主義には良い側面もありますが、辛いと感じている人も多いです。
何事においても妥協ができず、人に頼ることができなかったり、高すぎる目標を達成できず自己嫌悪に陥ることが多い人生は楽しいとは言い難いですよね。
完璧主義だと自覚がある人は、物事や自分の行動を加点方式で考え直す習慣を身につけるなどして、できていないことではなくできることに目を向けるようにしてみてください。
完璧主義の考え方で子育てをすると辛いという経験談はネット上にもたくさん上がっています。
自分で自分を追い込んでしまう前に、今一度考え方や思考の習慣を変えるきっかけを作ってみてはいかがでしょうか。