生まれも育ちも違う二人が同じ屋根の下で暮らす以上、価値観の違いに悩まされたり、気持ちがすれ違うこともきっとありますよね。
最初は小さなことだったとしても、積み重なれば雪だるま式に不満が膨れ上がってしまうことも。
離婚も視野に、この先どんな道を歩むべきか悩んでいる最中の方もいらっしゃるかもしれません。
何が正しいかは後になってみなければ分かりませんが、後悔の少ない選択にするためには似たような境遇に立たされた人の失敗から学ぶことも必要ですね。
今回は、そうした悩みを抱えるDINKs夫婦やこれから結婚を考えている方に向けて、子なし夫婦の離婚率とその原因を解説していきます。
子なし夫婦の離婚率は子育て夫婦の約5倍!
子なし、子あり問わず日本全国の夫婦は毎年1000組に5組が離婚しています。
平成27年度実施の国勢調査によれば、日本国内の夫婦数は2928万9490組。
内訳は子あり夫婦が2545万2567組、子なし夫婦は383万6923組です。
次に離婚件数ですが、厚生労働省の人口動態調査によると日本では22万5000組の夫婦が離婚しています。
内訳をみると、子あり夫婦の離婚件数が13万941件、子なし夫婦の離婚件数が9万4059件でした。
そのため子あり夫婦の離婚率は0.51%、子なし夫婦の離婚率は2.45%ということになります。
子どものいる夫婦 | 子なし夫婦 | |
世帯数 | 2545万2567組 | 383万6923組 |
離婚率 | 0.51% | 2.45% |
こうして比べてみると子なし夫婦の離婚率が5倍近くも高いことがわかりますね。
なぜここまで離婚率が高いのでしょうか?
次はその原因を考えてみました。
子なし夫婦の離婚率が高いのはなぜ?
子なし夫婦の離婚率が高い理由はなぜなのでしょうか。
主な要因として「子供がいないことが離婚のハードルを下げている」ということが予想されます。
「子はかすがい」という言葉がありますが、子供が夫婦の仲を取り持つケースも少なくありません。
離婚を考えていても「転校したり途中で苗字が変わったりすると子供がかわいそうだから小学校卒業までは離婚しないでおこう」「今は受験で大変な時期だから落ち着いてから別れよう」といった具合に、子どものライフイベントに合わせて離婚を先延ばしにする夫婦も多いでしょう。
そのようなきっかけで頭を冷やす期間が自ずとでき、時間の経過とともにお互いの気持ちにも変化が生じて「あの時はごめん」と夫婦仲を改善するきっかけが生まれることもあるのです。
また、子どものライフイベントのために夫婦で協力し合うことで、一度は冷めかけた夫婦仲であっても、お互いのありがたみを再確認することもあるでしょう。
その点、子なし夫婦は子どもといういわばストッパーが無いので、別れる決断を取るのが比較的容易です。
また、共働きの場合、女性もバリバリとキャリアを積み上げて働いているケースが多く、経済的にも互いに自立しているため、引越しなど新しい環境にも移りやすいです。
そして、子どもがいないので次のパートナーを探しやすいなどの特徴もあると言えます。
子どもがいないことによるそうした経済的な余裕や時間的自由が離婚のしやすさにも繋がっていると思われます。
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夫婦の離婚理由ランキングTOP3
令和2年度の司法統計という資料から離婚調停の申し立て理由トップ3を見てみると、
- 性格の不一致
- 精神的な虐待
- 異性関係
これらが男女共通の離婚理由として上位に入っていました。
これらの離婚理由は子どもがいる夫婦にも子なし夫婦にも共通していると思いますが、それでも子なし夫婦の離婚率が高いということは上記以外の理由があるということ。
子ありと子なしのちがいは“子供の有無 “にあるため、やはり子どもが夫婦間の関係に及ぼす影響は大きいと考えられます。
離婚する前に気をつけるべきこと
現時点では離婚するか、しないかを決めきれないでいる夫婦もいると思います。
焦って答えを出して後悔しても今までの関係を取り戻すことは難しいので、まずは冷静になってじっくりと考えましょう。
特に子なし夫婦は子どもがいないことで離婚の決断に踏み切りやすいことと思いますが、早くに実行できるからこそ、落ち着いてから後悔する可能性もあります。
離婚という最終決断を示す前に、一度お互いの存在のありがたみを思い出してみてくださいね。
また、離婚を検討している夫婦は気をつけるべきことがいくつかあります。
それは以下のようなことです。
- 不倫をする
- 自分の財産を配偶者に開示する
- 相手を批判するような不用意な発言
- パートナーの意思を無視して強引に離婚を進める
要するに自分に不利に働くような行動をしないということですね。
まずはしっかりと相手の気持ちも尊重しながら話し合いをし、二人でこの先の関係について考える時間を設けましょう。
DINKsは子供がいないため親権などで争う必要はありませんが、その代わりに財産を巡るトラブルが発生しやすいです。
もし離婚に不利になるような言動を取ってしまっていると多額の慰謝料を請求されるかもしれません。
もちろん離婚しないに越したことはありませんが、意思が固い場合は後を引かないようにするためにも、なるべく円満に別れられる方法を探しましょう。
まとめ
今回は子なし夫婦の離婚率についてご紹介しました。
子なし夫婦の離婚率は2.45%と、子育て夫婦の約5倍という結果でした。
DINKs夫婦や子なし夫婦の方が離婚しやすいというイメージが巷ではあるようですが、本当のようですね。
離婚しやすい原因としては子供の存在がないこと、経済的余裕や時間的自由があり離婚の手続きがスムーズなことなども挙げられるでしょう。