2023年に入り、岸田総理はこれまで以上に少子化対策に力を注いでいくという方針を掲げ、現在も子育て支援に関する多くの議論が交わされ続けています。
そんな中、4月1日にTBS NEWS DIGのYouTubeチャンネルで「“異次元”の少子化対策の陰で・・・結婚・子供を諦め始めた若者たち」という特集が公開されました。
筆者も同日この動画を視聴したのですが、自分たちが生きていくことが精一杯で子育てを諦めざるを得ない状況に置かれる若者の多さと辛辣な本音が深く印象に残りました。
今回は、少子化対策の議論の裏で交わされる、子育てを諦めざるを得ない若者たちの心情についてまとめてみました。
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「子どもは贅沢品」子どもを持つことを諦めざるを得ない若者たち
厚生労働省の「人口動態統計速報」によると、去年の出生数は79万9,728人と初めて80万人を切り、過去最少となったそうです。
この止まらない少子化に歯止めをかけるべく、「異次元の少子化対策」と称して岸田内閣を中心とした政府が子育て支援に関する様々な政策を議論していますよね。
もともと少子化対策は出生率が下降傾向に転じ、課題であると認識されはじめた1994年から始まりました。
2003年には「少子化社会対策基本法」が制定され、2012年には「子ども・子育て支援新制度」が施行されています。
少子化対策に取り組みはじめて30年近い月日が流れているにも関わらず、未だ少子化の一途を辿っていることになります。
国民の多くが少子化問題について関心を寄せる中、4月1日に公開されたこちらの特集が話題となっています。
参照:TBS NEWS DIG ( https://newsdig.tbs.co.jp )
こちらの取材に答えている男性はフリーランスで、労働基準法で保護されず、雇用保険もないという不安の中で働かれているそう。
「自分一人で生きていくのですら不安なこの世の中なのに、結婚して奥さんも子供も養っていくというのは想像できない」という言葉に、結婚や子育てを踏みとどまっている男性は共感を覚えるのではないでしょうか。
「子供に好きなことをさせてあげられないのに子供を作るのはある意味親のエゴかなと思う。子供のためにも産まないほうがいいんじゃないかなって」
「子どもは贅沢品だと思っています。余裕がある人が良い車に乗ったりとか良い家に住んでるとか、そういうものの一つになっちゃったなと思います」
一昔前であれば結婚して子どもを何人か育てるという家庭が普通でした。
しかし、経済的な不安も多い現代を生きる若者にとっては「子どもは贅沢品」という感覚にならざるを得ないのかもしれません。
BIGLOBEが18~25歳の未婚男女500人を対象に実施した「子育てに関するZ世代の意識調査」によれば、Z世代の約5割が「将来子どもをほしいと思っていない」と回答しています。
別の記事でも紹介したことがありますが、子育て世帯は今、日本全体の21.7%しかいません。
1986年には子供のいる世帯数が46.3%であったのに対し、今ではその半分程度しか子育てをしていないというのが現状。
今や子育て世帯の方を少数派とも言い得る世の中なんですね。
「子どもは贅沢品」に共感の声
こちらの特集には数多くの声が寄せられていました。
一部抜粋してご紹介いたします。
子どもは嗜好品って言語化えぐい。共感する。
本当に同意。だいたい高齢者が多すぎるのに、いまの社会保障を維持することにムリがある。
負担を現役世代に押し付けすぎ
どう考えてもやばい世の中になっていく未来しか見えないのに子供をそんな所に送り出したいとは欠片も思わない
めっちゃ共感できる。
子供を幸せに育てる準備ができてない状況で、子供を作るのは確かに親のエゴだし、子供に申し訳ない。
しっかりした少子化対策もなく、不安感しかない今後の日本に子供を産むことが子供に取って幸せとは思えないです。
なので私は産まずにパートナーとの幸せな人生を選びたい
今の若い世代が抱えてる未来への不安って想像以上に大きいと思う
お金の問題だけじゃなくて色んなことを変えていかないと
自分たちの世代で将来の不安が尽きないのに、子どもの代はもっと苦しい時代になるのは目に見えている。
二人の幸せのために前向きに選択的子なしの道を選んだ夫婦もいれば、子供が欲しいけれど経済的に諦めざるを得なかった子なし夫婦もいます。
経済的な不安によって「産みたいのに産めない」と子供を諦める人が少しでも減っていく、安心して子育てができるような子育て保障が充実した世の中になって欲しいと願わんばかりです。
こちらの記事もぜひご一読くださいね。