DINKs

子供がいる夫婦の世帯が3割を切る時代に │ 令和の「DINKs」の割合は

今回の記事では、子なし夫婦は増加しているのか、統計をもとに考えてみるとともに、近年注目されつつある「DINKs」という生き方について深堀りしてみます。

子なし夫婦が増えていると考えられている背景や、近年若年層を中心に認知の広まりを見せている「DINKs」という生き方について見解を深めてみましょう。

子供がいる夫婦の世帯が3割を切る時代に

かつての日本は夫婦と子2人という核家族が世帯の中心の形でした。
しかし、1990年には40%いた夫婦と子だけの世帯は、今では27%まで減少。
全体の3割を切る時代になっています。

その一方で従来よりも増加傾向にあると言われているのが「子なし夫婦」です。
厚生労働省が2015年度に行った出生動向基本調査によれば、子なし夫婦の割合は夫婦全体の13.1%という結果になっています。
現在公開されているデータの中で最も古い1977年に行われた調査では8.1%であったことを踏まえると、子なし夫婦の割合は緩やかな増加傾向にあるようです。

子育て世帯の割合が減少し、子なし夫婦の割合が増加している主な背景は、単身世帯や子育てを終えて夫婦二人のみになった世帯の割合が増えていることが考えられます。

現代は未婚化・晩婚化の風潮があり単身世帯が増えていますし、少子高齢化の時代なので、新たに子供を産む夫婦の母数よりも、子供を育て終わって再び夫婦二人に戻る世帯の母数の方が多いことも推察できるでしょう。

「子なし夫婦」の中でも「選択子なし」の割合は?

一般的に「子なし夫婦」に分類される夫婦2人のみの世帯は以下のいずれかに該当すると考えられます。

  • 子供が独立し夫婦二人のみの世帯に戻った
  • 子供は欲しいが、妊娠していない or まだ先でいい
  • 子供は欲しくない

子育てを終えた夫婦二人の世帯をのぞいて考えてみましょう。
現状は同じ夫婦二人のみの世帯としてカウントされている夫婦の中でも「子供を欲しいと思っている夫婦」と「子供を欲しくないと思っている夫婦」でさらに分けることができます。

「子どもは欲しいが妊娠していない」「子供は欲しいがまだ先でいい」と考える夫婦は、子供を作ることに対して前向きであるため、子供を授かればいずれ子なし夫婦ではなくなります。
しかし、子供を欲しくないと思っている夫婦に関しては、心変わりをしない限りは生涯子なし夫婦であり続けるということ。

現状子なし夫婦の世帯に分類されている中で「子どもは欲しくない」と思っている選択子なし夫婦は一体どれくらいいるのでしょうか?

再び出生動向基本調査のデータを参考に算出したところ「子供を欲しいと思っていない夫婦」の割合は3.5%であることが分かりました。

平成27年度実施の国勢調査によれば、日本国内の夫婦数は2,928万9,490組。
その3.5%ということは、日本国内で約102万組の夫婦は子供を欲しいと思っていないという計算になります。
割合としてはごく少数ですが、子供を希望していない選択子なし夫婦も一定数いることがわかります。

令和の時代に再び注目され始めた「DINKs」

DINKsという言葉に聞き馴染みがない方も多いと思うので改めて説明します。
DINKsは、もともとは「Double Income No Kids」(共働きで子どもがいない)の頭文字を取った言葉で、最近では子なし夫婦の中でも意識的に子供を産まない選択をしている共働き夫婦のことを指すことが多いです。

先ほど子育て世帯が従来よりも減少しているというお話をしましたが、日本では結婚後、子育てをするという夫婦の方が多く、子なしの夫婦はごく少数派です。
そして子なし夫婦の中でも子供を作らないと決めている選択子なし夫婦はもっと少数派です。

「結婚する=子供を作る」ということは絶対条件ではありませんが、やはり結婚後は子育てに向かう考え方が主流です。
子どもがいないことで親や友人から「いつ子どもを作るの?」と言われたり、子持ちの人との会話について行けなくなる場面も増えるでしょう。
結婚後は子供を育てようと考えるのが日本では一般的な考え方なので、子ども持たないという選択をしている夫婦には孤独感もあることでしょう。

しかしその反面、子どもを持たない選択をすることで子供に費やすお金や時間・労力といった限りあるリソースを他の部分に回すことができるというメリットもあります。
夫婦ふたりだからこそ叶えられる夢や目標もあるかもしれません。

今はまだ少数派であるが故に理解されないことも多いかもしれませんが、DINKsや選択子なしが話題に上ることも増えてきているため、DINKsや選択子なし夫婦という生き方についての理解が深まる日もそう遠くないのではないでしょうか。

まとめ

今回は子なし夫婦が増えている理由や、選択子なし・DINKsという生き方についてご紹介しました。
1990年には40%いた夫婦と子だけの世帯は現在27%まで減少し、全体の3割を切る時代になっています。
子育て世帯の割合が減少している主な背景は、単身世帯や子育てを終えて夫婦二人のみになった世帯の割合が増えていることが考えられます。
子供がいない夫婦は全世帯の13.1%であり、子供を希望しない選択子なし夫婦は約3.5%でした。
選択子なし夫婦は少数派ですが、今後少しずつ選択子なしやDINKsという生き方の認知も広がっていくのではないかと思われます。

▼こちらの記事も読まれています

Z世代の2人に1人が「子どもが欲しくない」子どもが欲しくない理由ランキング

▼話題の書籍

カテゴリー

Google検索ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5

アクセス急上昇中の記事

注目トピック

あなたにおすすめ

PAGE TOP