みなさんは「チャイルドフリー」という言葉をご存知ですか?
チャイルドフリーとは「子どもを持たない選択をする人々」を指す用語です。
今回は「DINKs」と同義でもあるこの言葉についてお話ししたいと思います。
チャイルド・フリーとは?
チャイルド・フリー(childfree)とは「子供を持たない人生の方が豊かであると考え、子供を作るつもりがない人々」のことを指す用語です。
不妊であったり、子供を持ちたかったけれど妊娠適齢期を過ぎてしまったため子供を産むことを諦めた女性も含むとされています。
日本では「選択的子なし」「子なし夫婦」「DINKs(ディンクス)」といった言葉で表現されますね。
「チャイルドフリー」は20世紀の後半に英語圏で生まれた言葉です。
結婚・出産が家系を受け継いでいくための制度だった時代が過去のものになりつつあり、現代では広く認知されています。
先進国ではチャイルド・フリーの生活を送るために避妊手術を受ける夫婦もいるそうです。
チャイルドフリーを選択する人々は以下のような理由を挙げています。
- 母親・父親になりたいと思わない
- 働きながら子育てができないと感じる
- 経済的に厳しく子育てする余裕がない
- 親になることが幸せだという人もいるが人生にはそれ以上のものがあると思う
- LGBTであり、子どもを育てるつもりがない
- 仕事を続けながら子どもを長時間他人に預けてまで育てることに価値を見出せない
- 子どものとき辛い経験をしたから自分の子どもに同じ思いをさせたくない
- 不妊治療が精神的に苦痛だった
もちろんこのほかにも人それぞれにチャイルドフリーを選択した理由や背景があると思います。
子供を産まない理由は様々ですが、日本でも若い世代を中心に「子供を産まない派」が増えてきているようです。
アメリカでは5人に1人が「子どもを持つつもりがない」
人口動態がアメリカ全土とほぼ同じとされているアメリカ・ミシガン州で実施された調査によると「成人の20%以上が将来にわたって子どもを持たないことを決めている」ほか、「若い段階での決断は歳を重ねても揺るがない」ことなどが分かりました。
5人に1人が生涯にわたって子どもを持つつもりがないと回答しているんですね。
日本ではこうしたはっきりとした調査や統計はとられていませんが、総務省統計局の資料によると約3割が子どものいない共働きの夫婦世帯だと言われています。
「チャイルドフリー」と「反出生主義」の違いは?
「チャイルドフリー」と「反出生主義」はよく混同されます。
チャイルドフリーは子どもを持たないという選択や考え方、反出生主義は人は生まれてくるべきではない、子どもを産むべきではないという考え方です。
結果として「子供を産まない」という点においては同義のように思われますが、思想の核となる部分が異なります。
チャイルドフリーは「子供を持たない選択をすることによって自分自身の人生を豊かにしていく」という、自分やパートナーを中心に据えた考え方です。
一方、反出生主義は「子供を産まないことにより、子供が不幸になる確率をゼロにする」という、生まれる前の子供を中心に据えた考え方です。
チャイルドフリーは一個人の人生を決める上での選択なのに対し、反出生主義の方は人類全体における哲学的な思想とも言えるかもしれません。
反出生主義についてはこちらの記事もご一読ください。